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10話
むつは嫌な汗で手のひらや脇が湿ってくるのを不快に感じつつも、もしかしたら何か起きるのかもという期待と、そうなった時にどうするかという緊張感。それを楽しんでいる自分に、呆れるしかなかった。
やがて、シスターの声も途切れ途切れになってきた。疲れが出てきたのだろう。
やはり何も起きないか、とむつは感じながらそっと目を開けた。すぐ近くに見えるシスターは、はぁはぁと肩で息をしている。シスターも諦めたのか、がっくりと膝をついた。
シスターは諦めたようだが、微妙に変化した空気はそのままだった。むつは手汗をスカートでぬぐって起き出すと、玲子の肩を揺さぶった。




