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10話
シスターに続いて祭壇の前にやってきたむつは、細々と描かれた魔方陣をまじまじと見ていた。そして、単純に凄いなと感心をしていた。ここまで、細かく紋様やらを描いたシスターの努力という執念。もっと他で生かせたろうにと、むつはこっそりと溜め息をついていた。
「ポケットの物を」
手を差し出され、むつは大人しく札も人形もそれに大学で調べ物をした際に持ってきてしまった、魔方陣の描かれた紙も渡した。満足そうにシスターは頷き、むつに寝転ぶように言った。
魔方陣の中には、3人目の生徒と玲子、数合わせなのかダリィの片割れが居る。むつの札のせいで動けないのだろう、睨まれた。
むつは、3人とは離れた魔方陣の端の方の薄い布の敷かれた上に横になった。仰向けに寝て、手を胸の上で組んだ。




