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9話
教会にむつたちも入った事を確認すると、天使たちが扉をばたんと閉めた。あちこちに転がっている蝋燭を1本ずつ立たせ、きちんと並べ火をつけと天使は黙々と準備をしている。
むつは何を思っているのか、ベンチに座り通路の方に足を出して組んで、着々とすすむ準備を見守っている。
菜々も西原もダリィもむつが、何を考えてこんな風に見守る事にしたのか、全く分からない。むつを信じて一緒に座って儀式を見守るべきか、それともダメ元で何かをしてみるか。悩んでいたが、むつでさえお手上げ状態なら、何かが出来るわけもなく、ベンチに座ることにした。
菜々とダリィは通路を挟んだ所に、西原はむつの前に座ると、横向きになり肘をむつが座っている方に置いていた。
「………」
何を考えての事なのかと、気がかりになっている西原は、むつをちらちらと見ている。その視線に気付いているむつは、両手を頬に添えて頬杖をついた。
「ま、自由にやらせてあげたらいい…それで気が済むならね」




