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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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9話

むつが最後に投げた炎のボールが横に広がると同時に、その前に投げて床でゆらゆらと燃えていた炎が、ごおっと勢いよく真っ直ぐ天井まで届く火柱になった。いくつもの、それもあちこちに点在する火柱の間を繋ぐようにして炎は広がっていく。


天使と少女が呆然としているの顔が、見えた。それを見て、むつがにやっと笑うと少女がきっと睨み付けて炎によって退路を塞がれる前に、出ようとしたが遅かった。天使と少女の目の前で、わざとかのように炎が立ち塞がり、完全にむつたちとを隔てた。


「………」


西原と玲子は、その炎の檻のような物を、何も言えずにただ見ている。オレンジ色というより、赤みの強い炎で教会内は一層明るくなった。


「結界の完成。時間稼ぎにはなる…はず」


最後に使った蝋燭をとんっと床に置くと、むつは肩をぐるぐると回した。


「蝋燭、消さないようにね。それがあたしの炎と連動してるから、1本消えたらパァになる」


「…だから、1本ずつ使ってたんですか?」


「うん、途中でいけるかもと思ったから。最初はただ…やけくそなだけだったけどね」





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