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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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9話

むつは人形をほっといて、小走りに教会に向かう。尖った屋根が見えてくると、むつはほっとした。ようやく、みんなと合流が出来そうだった。


教会の前に出たむつは、はぁっと大きく息をついた。そして、ぐるっと辺りを見回した。


近くから、ぎゃあぎゃあと烏の鳴き声が近付いてくる。むつの近くにいた天使たちも、烏たちに気付いたのか、声のする方に飛んでいく。それに見て、むつは休む間もなく追いかけた。


すでに疲れきっているむつは、ちんたらちんたらと走り、あまり追う気がないのがありありと分かる。


ぽてぽてと走っていくとすぐに、烏の集団に出くわした。人の身長の位置辺りを取り囲むように、飛び回っている。

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