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1話
早い夕食を終え部屋に戻ると、電気がついていて、ベッドに女が座っていた。
「よ、むつ。学園生活はどうよ?」
「タバコ吸いたい」
「こらっ宮前むつ。未成年のくせにそんな事を言ったら、いけませんよ。それにたまには浄化された生活も悪くないわよ?」
「フルネームで呼ぶな。あと、あたしゃ汚れ物かなんかか?」
先程まで剣道部の練習に参加し竹刀を振るい、食堂で食事をしてきた宮前先輩こと、玉奥むつはスクールバッグを机に置くとベッドに座った。
「あと、高校は10年も前に卒業してるから。あんたと同い年だからね、朋枝せんせー」
朋枝先生と呼ばれた女は、くすくすと笑うとまじまじとむつを見ていた。
「本当…恥ずかしくないわけ?制服コスプレなんて。似合ってるけどさ、違和感ないもん」
「ふざけんな。誰のせいだと思ってんだか」
「良いじゃん?たまには学園ライフを楽しみなよ。こんな機会滅多にないわよ?」
「当たり前でしょ?しょっちゅうあってたまるか」
むつはそう言うと、ベッドに仰向けになった。そして、こうなったのをかなり後悔していた。