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2話
明らかにほっとした様子のむつを見て、西原は苦笑いを浮かべた。嫌がられてるんだろうな、と思うと少しだけ悲しくもなった。
「風呂、入ってこいよ。遅刻する…それに酒臭い」
西原は立ち上がり、風呂場からバスタオルを持ってくるとむつに投げた。顔面で受け止めてしまったむつは、うぷっと変な声をあげたがすぐに身体にタオルを巻くと風呂場に向かっていった。
「俺のが最低なんじゃないか」
シャワーの音が聞こえてくると、西原はベッドに横になりそう呟いた。ベッドはさっきまでむつが居たからか、ほんのりと暖かだった。
西原がベッドで悶々としている頃、頭から熱い湯をかぶっていたむつは、盛大な溜め息をついていた。まさか、元彼とこんな事になるとは思ってもいなかったからだ。気まずさもなく、普通に接してくれるからと気安くなりすぎたなと反省していた。
思いだそうにも何も思い出せず、むつはますます気が滅入っていった。それに、さっきは嫌だったのか緊張だったのか、自分でも分からなかった。ただ、引き寄せられた時の西原の温かい腕や少し早かった心臓の鼓動は、ちょっぴり嬉しいものだった。




