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8話
「そんな問題じゃないだろ?何でスーツに入れといたのが、そこにあるんだ?」
「そんなの知らないわよ。ダリィこれどうしたら良い?燃やしちゃう?」
タバコをくわえながらも、器用に口から煙を吐き出しむつは、ダリィに魔法陣の描かれた紙を見せた。だが、ダリィにもどうしたら、良いのかは分からないようだ。ただ、怖がっているようだ。
「これがあったから、あたしが天使の仲間だと思われたってわけね。だから、あんなになついてきたのかしら?」
そして、何を思ったのかタバコの火に紙をつけた。黒い染みが出来たが、穴が開くわけでも燃えるわけでもなかった。
「むつ、危ないだろ」
「火の扱いには慣れてるから…けど、これ燃える気配はないね。紙は紙のはずなのに…」
あまり気にしていないのか、手に余るからなのか、むつは魔方陣の描かれた紙を折ると札で包むようにして隠してポケットに突っ込んだ。
「さて、ダリィ。最後の1人はどこに?」




