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8話
だんどんだんっと足音がし、息を切らせた菜々と玲子がやってきた。玲子は、何やら重たそうにスポーツバッグを持っていた。
「むつ‼どういう事よ‼って、あんたタバコなんか吸って何してんのよ‼」
「いや、待ってたんだってば…何をそんなに、かりかりしてんの?カルシウム不足?」
「違うわよ‼」
はぁはぁと息を荒く、菜々が怒っている。西原の言った通りになり、むつはちらっと西原を見た。
「そいつ?そいつなの?何で…あぁ、もう嫌。意味分かんない…はぁーそれなら仕事なんて頼まなかったのに‼」
「せんっ…」
むつが何を言いかけると、西原が横から手を伸ばしてむつの口をふさいだ。
「口開くな。また菜々ちゃん怒るから」
「何っ‼」
きっと菜々に睨み付けられたむつと西原は、びくっと背筋を伸ばしてぶんぶんと首を横に振った。
「むつ…お願いよ。何で、もっと早く教えてくれなかったの?こんな怪我までさせるような仕事になっちゃって…無事なの?」
「ん?うん、全然大丈夫だよ?」
「そう?けど、お兄さんも何でむつが病院に運ばれた時に止めなかったのかしら?無責任だわ大人として。それで、いつなの?」
 




