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7話
念入りに冬四郎に頬を拭われていると、菜々と山上が戻ってきた。下で西原と会って、戻っても大丈夫と言われたのだろう。菜々は、冬四郎に顔を拭かれているむつを見て、不思議そうな顔をしていた。
「どうしたの?」
「何か汚れてたみたい」
「あら?頑固な汚れ?気付かなかった」
擦れて少し赤くなった頬を菜々に、つんとつつかれてむつは首を傾げていた。
「はい。むつがお腹すいたってぼやいてたって社長さんに聞いたから。一緒にコンビニ行ってきちゃった」
がさっと大きな袋を2つもベッドに置いた菜々は、あれこれと出して並べてくれた。山上はそれを見て、にやにやと笑っている。喋って引き止めるではなく、ゆっくりコンビニに行って、むつが好む物を2人で吟味してきてくれたようだ。
「さぁ、沢山食べて早く治しなさいね」
「あっ…ありがと。こんなに沢山」
サンドイッチに弁当、ホットスナックに菓子などを並べると菜々は、にっこにことむつを見ていた。




