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7話
「無理だな。衰弱が激しいのに烏の大群にプールへのダイブだったろ?まだ意識は戻らない。無事は無事だけどな」
「あーすいませんねぇ。他に逃げ道なくて」
プールに落ちるように一緒にダイブをしたむつは、悪いとは思っていない様子でとりあえず謝った。
「いや、それで良いだろ。飛び込んだから死なずに済んだんだからな」
「うん…」
「なぁ、あと1人の子。無事だと思うか?」
行方不明になっている3人のうち、1人は死亡、もう1人はむつが助けた。残るはあと1人だ。西原としては、何としてでも無事に保護したい所なのだろう。むつとて、その気持ちは同じだ。だが、何とも言えない。だが、2人とも学園内で見付かっている以上、最後の1人も学園内に居ると思って間違いないだろう。
「警察が弱気でどうするのさ…しらみ潰しに学園全部を捜索してよ。烏みたく数に物言わせて…ってさ、烏も結構片付けてるはずなのに減らないよね」




