2話
「まぁそんか依頼なわけよ」
「いや、どんな依頼だよ。何か色々すっとばしてないか?」
「だから、シスターが死んだのは悪魔崇拝と関係あるんじゃないかって。逆にした十字架があったりしたみたいだし。だから、その調査よね」
「その調査って…悪魔崇拝があったかどうか、か?それであったとしたらどうするんだ?悪魔を倒すってか?」
「バカにしてるでしょー?とーいーちゃーん生2つ‼」
くいっと呑み干したむつは、西原の分のビールもついでのように頼んだ。すぐにビールが届くと、むつは泡を指ですくって舐めていた。
「まぁ調べに行って菜々とか学園の人が安心するならそれで良いんじゃないの?」
「あの閉鎖的な学園内で人が死ねば誰でも不安になるだろうけど…お前、報道されてない事も聞いてるな?」
冷めてきた手羽餃子をようやく口に入れたむつは、骨をぱきっと折って外した。おしぼりを口に当てて、眉間にシワを寄せてる様子からして、まだ相当熱かったようだ。
「あひゅい…」
西原に掌を見せて、ちょっと待ってとジェスチャーすると、むつは眉間にシワを寄せたまま、ゆっくりどうにか咀嚼しているようだった。
「バカだろ」




