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7話
むつと菜々に責められながらも、にこにこしながら西原は、食べ終えた物を端から片付け始めていた。菜々は残っている物を、むつにあーんと言い食べさせながらどんどん片付けていく。その菜々の手際の良さと、むつの無抵抗さを西原は面白そうに見ていた。
片付け終えると、3人は食後の一服としてぷかぷかとタバコを吸っていた。ようやく笑みを見せたむつだったが、またぼんやりと考え事をするかのように、黙ってしまった。
「ねぇ、むつ?何をそんなに悩んでるの?」
「………」
しばらく菜々を見つめたむつは、ふーっと細く長く煙を吐き出すと首を傾げた。話すか否かで悩んでいる様子だった。
「あのさ、先輩の怪我かなり酷かったんだよね?出血多くて、危なかったみたいな事をむつは言ってたけど…救急車も呼ばずに翌朝自力で病院行けたんだよね?誰が手当てしたの?どうやって?」
むつは西原の方を見た。
「お前、依頼主に黙りはよくないだろ?ましてや、幼馴染みだろ?話してやれよ。菜々ちゃんなら…大丈夫だろ」




