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7話
西原と菜々は、気を遣ってかわざとらしくも、わいわいと食事をしている。むつが皿の上に乗せられた物をどうにか、平らげる頃には、テーブルの上にあった肉やサラダはほとんど無くなっていた。
「菜々ちゃん?これ何人前?」
流石に腹が苦しくなってきたのか、西原は箸を置いて菜々がむつの部屋から持ってきたコーヒーを飲んでいる。
「6人前ってお願いしたの」
「ぶふっ…」
スープを飲んでいたむつは、吹き出して肩を揺らして笑っている。菜々が紙ナプキンを渡してやると、口元を吹きながら、なかなか笑いが収まらないようだった。
「え、だって…学生の時とかそうだったじゃない?むつも先輩も軽く2人前とか食べたからさ…少ないかもって思ったけど足りたね」
良かった、と笑みを浮かべる菜々を見てむつはまた、くっくっくっと笑った。
「なーにーよー?だいたい、むつ食べなさすぎじゃない?ほとんど、あたしと先輩が食べたのよ?ダイエット終わったくせに」
「常にダイエットだって」
「そんなに変化ないように見えるけど」
「うるさい」
「そーよ、気持ちの問題なの‼」
「そうなの?数字の問題じゃない?」




