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6話
「責任感じてらっしゃいます?昨日も寝ずに側に居たいなんて、意外といじらしい方ですよねぇ」
むつがノアをじろっと睨むと、ノアは両手を上げて降参ポーズを取って黙ったが、口元には笑みが浮かんでいた。
「そんな事よりも、昨日お話出来なかった事を聞きたいのですが」
イライラしてるむつは、ノアの前に座ると眉間に深いシワを刻んでいた。西原は2人の間を取るように、通路を挟んで真ん中辺りに座った。
「そんな怖い顔してると彼氏に逃げられちゃいますよ?」
「彼氏なんか居ませんから‼触るなっ」
ノアはむつの眉間を人差し指で、ぐりぐりと押した。鬱陶しそうにその手を払い除けているむつだが、完全にノアのペースに乗せられて遊ばれている。じゃれている2人のやり取りが終わるのを西原は、眺めて待っていた。




