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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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1話

結局の所、儀式に関してや崇拝の事をあまり聞かなかったむつだったが、教会の中に入れた事で満足していた。教徒でもないし、結婚式でもない限り行く事がない場所だ。だが、この先また行く事はないだろうな、と思っていた。そして、ふとそういえば仲の良い友達はまだ誰も結婚してないなと思った。


「ま、何でもいっか」


何となくこのまま帰る気にはなれず、むつは携帯を確認すると、少し考えてからバイクにまたがった。今日は少し寒いが天気は良い。バイクで走るには良い季節はあまり長くはないと思うと、ちょっとツーリングのつもりでバイクを走らせた。


ひんやりとした風を頬に受けながら、むつは悪魔について考えてみた。日本で言う所の、鬼みたいなものだろう。今までに出会った事のない人との出合いのような、少し楽しみなような怖いような気もしていた。だが、最初から正体が何となく知れてるだけに、そんなに大変な仕事じゃないだろうと、むつは軽く考えていた。


後々、甘く見ていた事を後悔する事になるとは、むつも思ってはみなかった。


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