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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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5話

一通り、荷物をテーブルに並べ終えた頃には、タバコも燃え尽きてことんっと音をたてて缶の中に落ちていった。むつは、再びタバコに火をつけた。そして今度は燃やして終わるのではなく、ゆっくりと煙りを吐き出しながら、並べた荷物を見ていた。


やっと気持ち的に落ち着いてくると、むつは菓子に手を伸ばした。食べようか悩んだが、結局は開けなかった。ぼんやりと、荷物を眺めているとがさっと音がした。むつが顔を上げると、紙カップを2つ持った玲子が顔を見せた。


1人じゃなくなったからか、むつは安心したような笑みを浮かべて玲子に手を振った。


「授業の合間にごめんね」


「いえ、今日はもう授業終わりですから。部活の日ですよ」


玲子がそう言われて、むつは、あぁと思った。部活は毎日あるものだが週に2日程、部活を優先的に行う為に1コマ授業の少ない日があるのを思い出した。


「そっか…最近、行ってないなぁ」


「最近って、昨日だけじゃないですか?今日も出れそうには、ないですか?」

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