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5話
「で、とりあえずどうしたら良いんだ?」
「先ずは学園の1番端まで行く。で、そこから抜け道ないかを見てみる…構造的に森の一部も含まれてるからかなり大変だけど…その辺の捜索は?」
むつは西原と並んで歩きながら聞くと、西原はいいやと首を横に振った。むつが目を細めると、西原は苦笑いをした。
「内部での捜索は人の手を使ってしかさせて貰えてないんだ。犬とか使えば大掛かりになるだろ?生徒の生活がとかって言われたんだよ…まぁシスターの件で信用度が下がってたからな」
「そう…だから、警察はあんまり捜査に来てないってわけか。先輩は?単独で動いて良いわけ?」
「お前居るから、単独じゃないだろ?」
むつはきょとんとした。
「あたしは警察じゃないよ?」
「けど、署長だけはお前が動いてるの知ってるぞ?だから、俺が単独で来ても何も言われないんだよな」
「お兄様の力…か」
むつが溜め息をつくと、西原が慰めるように肩を叩いた。




