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5話
「菜々も仕事の為に早く休みなよ。今日は色々とありがと、助かったよ」
「うん。むつもちゃんと休んで早期解決を期待してるわね、おやすみ」
「プレッシャー与えないでよね、頑張るけど。ま、おやすみーっ」
ひらひらと手を振りながら、職員用の寮の前で菜々と別れてむつはこそこそと学生寮に戻ってきた。皆、寝静まってはいるだろうが、それでも足音をたてないようにむつはそーっと部屋の前まで来ると中から人形に鍵を開けさせた。
そして、鍵を閉めるとスニーカーと服をあっという間に脱いで床に落とした。カップに残っている冷えた紅茶を飲み、ようやく一息ついた。
携帯で時間を確認すると午前2時を回っている。というより、そろそろ3回だった。むつは冬四郎に用件だけを書いたメールを送り、ブラジャーを外すと服を着ずにそのまま布団にもぐった。
明日の朝には返信もあるだろうと思いながら、むつはすぐに眠りについた。




