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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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5話

だが、何となく昼間とは違うような気がしていた。雰囲気が違うのは、昼と夜では、光が違うから見え方も違うのかもしれない。だが、そうじゃなく何か引っ掛かるような気がしていた。


むつがペンライトで天使の絵を照らし、じっと見ている事に気付いたのか、菜々も見上げている。


「ちょっと、ごめん手」


菜々はすぐにむつから手を離した。むつは片手でペンライトを持ち、もう片手でポケットから出した人の形に切られた紙を出した。そして、ふっと息を吹き掛けて絵に向かって投げた。


ひゅんっと飛んで行った人形は、天井までいくとぺたりと張り付いた。そして、もぞもぞと動いて天使の絵に近付いた。むつはペンライトで照らしながら、天井を移動する人形を見守っていた。菜々もむつが何をしているのか分からないまま、じっと見守っていた。

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