4話
「あたしも先輩も教会の前で女の子と会ってるのよね…」
むつはそこまで言って、黙った。むつは女の子と会ってから、きらきらした物を見て息苦しくなったし、動く絵画を見た。西原は女の子と会ってから、烏の集団に襲われている。何か繋がりがあるのかとも思ったが、考えすぎな気もしていた。
「女の子?まぁ女子生徒しか居ないけど…でも、サボってる子も居ないわよ?それに教会の近くには行かないようにってシスターが亡くなってから言ってあるし、ミサも今はお休みだし」
「分かってる…野次馬根性のある子かとも思ったけど、もしかしたら人じゃなかったのかな?」
「あんたでも分かんない時あるの?」
菜々が意外そうな顔をすると、むつはあっさりと頷いた。その顔は特に気にしている様子もない。
「何でも分かるわけじゃないし…さて、夜はどうしようかな?出歩いてみようかな」
「木戸さんどうするのよ?」
「いや、もちろん何とか言って部屋に帰らせるよ。んで、バレないように窓からでも出ようかな?」
勉強机の前にある窓を指差して、むつは首を傾げている。人が通るには十分な大きさはあるが、むつの部屋は4階だった。




