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4話
「あら、木戸さん。まだ居てくれたのね、むつは?起きてる?」
ずかずかと入ってきた菜々は、むつがうどんをすすっているのを見ると、くすくす笑った。
「足りそう?」
「足りる。食べ過ぎたら、また木戸 を相手に竹刀振り回さなきゃいけなくなる」
「あ、ダイエットに?学生らしく勉学に励んだら、余計なお肉にはならないわよ」
「うるさい」
むつは最後の一口を食べ、椀に残った汁を飲むと、ご馳走さまと言って土鍋に椀を入れると蓋を裏返して乗せた。ベッドの上から玲子が土鍋の乗った、お盆を机に移動させた。そして、むつと菜々の分の紅茶を淹れる為に、ポットのスイッチを入れて湯を沸かし始めた。色々としてもらい、むつは学園で言う所の妹とやらは、こんな感じなのかなと思っていた。
「妹になったの?」
菜々も玲子がてきぱきと動くのを見て、むつにこっそりと聞くと、むつは首を横に振った。




