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4話
首を傾げて、笑いながらもむつは椀にうどんをよそると、ふぅふぅしながら食べ始めた。
「それで…どうしたの?」
「何がですか?」
勉強机の椅子に座り、紅茶を飲んでいた玲子は少し驚いたような顔をしていた。
「いやいやいや、しらばっくれないでよ。用事があるんじゃないの?…これ、届けるだけで良かったんじゃないの?空いたやつは、明日とかでも片付けるの良いと思うし」
むつは笑いながら、土鍋を指差した。そして、もうもうと湯気の出ているうどんを椀に入れると、おたまを使って具材と少し汁も足した。
「あの後、何してたかなんて教えないよ。子供に言う事じゃないからね」
「………」
「それとも、嘘をついた事でも謝りにきた?言いたくない事があるなら、時には嘘も必要だと思うし怒ってはないよ」
「烏の身体の十字架の事を言ってます?」
「それと、霊が見えるって事かな?グロいのは、霊を視て慣れたって言ってたもんね」




