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4話
「で、何か分かった?」
どさっとソファーに座った菜々は、期待を込めた目をしてむつを見ていた。
「ごめんけど、何にも…」
だが、むつは教会で何で脚立から落ちたのかという理由を含めて、出来事は話さなかった。烏が沢山、集まっていた事だけを菜々に伝えた。そして、なるべく教会に人を近付けさせないように、それとなく教員から生徒にも伝えるように頼んだ。
「そっか…何かあったら教えてね。あと出来る事があれば言ってね、先輩も」
「何だよ、やけに協力的だな」
「早くしないと、むつに妹希望が殺到する。すでに何人も申し出てるみたいだし」
菜々が苦笑いして言うと、西原もなるほどなと苦々しく頷いた。だが、むつは関心ないのか化粧を落とす方に集中している。
「…あ‼ねぇ、早速お願いがある。さっきの授業、サボってた人居ないか調べてくれる?中等部も含めて」
「おっけ」
何でなど理由も聞かずに菜々は頷いた。




