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4話
「ったく…そういう問題じゃねぇよ‼心配するだろうが‼お前のその無謀さには…」
西原の怒鳴り声が教会内に響くと、むつはびくっと肩を震わせて、恐る恐る西原を見上げた。
「ごめんなさい」
「うん…俺も大声だして悪かった。それで、何があったんだ?」
西原は膝をついて座ると、気まずそうにしつつも、気になっていた事を聞いた。ちょっとやそっとじゃ驚いて、あんなへまをしそうにないむつが、落ちたのだ。余程の事があったのだと思っていた。
「絵が動いたの」
「飛び出す絵本みたいな仕掛けか?」
「ちょっと違うと思う…あれは、何て説明したら良いんだろ?とにかく、目と口が動いたの」
「それでびっくりして落ちたのか」
「うん」
むつの言っている事を疑いもしない西原は、天井を見上げていた。だが、床から見上げても絵がある程度にしか分からない。
「何の絵だったんだ?」
「眼鏡してるのに見えてないの?天使よ」
「何か教会っぽいな」




