153/718
4話
むつの素直な感想に、西原は少し笑った。
「そういう顔するとかっこいいのにね。ダサいより残念タイプよねぇ」
「えっ‼」
照れと驚きとを織り混ぜたような顔をしている西原をほっといて、むつはテープで囲ってある所に横になった。そして、胸の上で手を組んだ。
「顔は真っ直ぐ?」
「あぁ、けど…硬直状態としては少し首を反らしてたな」
西原はむつの顎に手を添えて上を向かせるように、反らせた。そうすると、白い首と鎖骨、胸が強調されるようだった。
「何か…」
「人工呼吸の時みたい」
「俺も思った」
「安らかに死んでたなら本当に優しい殺し方だと思う…まぁゆっくり血液を奪っていくなら、恐怖心もないのかもしれないけど」
「そうだな。やっぱり殺人だよな?」
「それは分かんないって。あたしの仕事じゃないもん。ぶっちゃけどうなの?証拠とかないけど、現役の刑事さん達の意見としては」




