148/718
4話
「分かった、体調不良にしておくわね」
「ありがと…それより、これボタン飛びそうで怖いんだけど大丈夫かな?」
菜々に借りたシャツは、むつには小さいのか胸の所がぱっつんぱつんで、隙間からキャミソールが見えている。
「いっその事、ボタン外しときなよ」
「だらしなく見えそうだけど…そうしよ」
むつは胸元のボタンを外して、ジャケットを着た。ジャケットもボタンは閉めずに、前を開けている。それでもむつは、谷間が見えないようにと、キャミソールを少し上に引っ張っていた。
「さて、準備出来た。お待たせ」
「ん、なら行くか」
「待って待って」
むつと西原を呼び止めた菜々は、紙袋から白い手袋を出して2人に渡した。
「必需品でしょ?」
「ありがと。流石、菜々分かってるね」
「俺も良いのか?…ありがとうな」
「うん、着替えはここに置いとくから。人に見られないように…気を付けてね」
「ありがと。菜々は?校舎戻る?」
「そうね…このあとは授業あるから」




