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4話
おもむろに立ち上がると、かつかつと靴を鳴らして西原に近寄り携帯を奪った。
「ちょ‼消すなよ‼」
西原は慌てたが、むつは携帯を持って日差しのさしている場所まで行くと、携帯を持ち上げた。そして、何回か自撮をしていた。むつの意外すぎる行動に、西原は驚いて何も言えなかった。何枚か撮影して、上手く撮れた写真以外を消したり、何か操作をしている。
むつが何をしているのか気にはなったが、西原は余計な事は言わないようにと、黙って待っていた。
「むーつー、持ってきた」
かんかんかんっとヒールを響かせて、息を切らせて菜々が戻ってくると、むつは菜々を手招きして呼んだ。そして、何かを話すと今度は一緒に写真を撮っていた。くすくすと笑い合ってる2人は、揃って西原の方を向いた。
「何だよ?何したんだよ」
菜々と一緒に、にやにやと笑いながら、むつは西原に待受画面を見せた。
「おい、何してんだよーっ」
待受画面は、むつと菜々のツーショットに変えられていた。しかも、どちらも満面の笑みだった。
「これ…どうやって変えるんだ?元に戻すか、むつだけにしてくれよ‼菜々ちゃん邪魔」




