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4話
「先輩たちが先に襲われてたんですか?」
「うん、向こう林みたいになってるでしょ?その中で襲撃されてたの。で、そこに菜々と木戸が来てーって感じ」
「林の中で?何でそんな所に?」
玲子は何を思ったのか、じろっと西原を睨みつけた。西原は慌てて、手を振って何もない事をアピールしていた。西原が慌てているのをむつは、不思議そうに見ていた。
「何か変な気配がして見に行ったの」
「そうだったんですか…」
むつがそう言っても、玲子はまだ西原がむつを人気のない所に誘い込んでいかがわしい事をしたのではないかと疑うように、汚い物でも見るかのような目をして、西原を見ていた。
「それで先輩このあとは、どうするんですか?烏はもう居ないですし…」
「…さぁね?とりあえずさ、本分に戻らないといけないかな?木戸は授業に戻りなさい。菜々、連れてってあげて、サボりの説明をしてあげて」
3人にずっとほっとかれていた菜々は、ソファーに座って不機嫌そうな顔をしていた。だが、むつの頼みなら断れないのか、玲子に校舎に戻ろうと声をかけている。




