4話
「若く見えるって事です…それで、何で学園に?それにそこの男の人は何なんですか?普通に先輩も接してますが」
「理由か…菜々、そこは任せた」
「えぇっ‼話すって言ったそばから投げた」
聞き役に徹していられると思っていたのか、菜々は驚いて前屈みになっていた。むつは何故、学園内で生活してるかを言うつもりないのか、足を組んで悠々と座っているだけで菜々を見ていた。
「だって、生徒に話して良いかの判断はあたしにはつけかねるもん…ま、それ以外の話のがあたしにとっては重要な気がしてるし」
「ったくもう…はぁ、もぅ何でこうなっちゃったのかしらね。ね、木戸さんはシスターが亡くなったの知ってるわよね?」
文句を言ったものの、菜々は玲子に何故むつが学園に居るのかを話した方が良いと判断したのだろう。むつは菜々が話を始めると、ソファーに身体を預けるようにしてもたれた。隣に座っている西原は疲れているのか、すでにぐったりとしている。
「それでね、噂で聞いてると思うけど悪魔崇拝の事でね調べて貰おうと思って。シスターの亡くなった場所に逆十字架があったし、亡くなり方も不自然だったでしょう…むつはね、そういう怪異に関しての専門のお仕事をしてるから」
「亡くなった事が怪異と繋がるんですか?」
「それは…正直分からないわ。でも、警察はあてにならないし、学園では変な事が続いてるでしょう?だから、わたしよ幼馴染みに相談をしたの。怪異が無ければ、それで良しだもんね」
ゆったりと言い聞かせるように、菜々は話している。むつは、そんな菜々を見て仕事をしている時の顔ってこんな感じなのかと思っていた。




