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1話
「うーん…信じる事は出来るかな。あたしは、ほら…こんなんだし?知ってる神様ってのは、たぶん菜々の言う神様とは違うけどね」
むつがそう言うと、菜々は笑った。
「うん、宗教の違いだよねたぶん。でさ、うちらが信じる宗教としては神様が居て天使が居て悪魔がいる感じなわけよね」
菜々はそう説明すると紅茶を飲んだ。甘ったるい紅茶は、もう冷えていた。
「まぁ宗教には光と闇があるもんだからね…で、その闇って言われるのが悪魔崇拝でさ。それがうちの教会でされてたんじゃないかって話なのよ。あたしと学園長からの依頼は、それよ」
「どれよ?」
「だーかーらーその悪魔が出たんじゃないかって話。その調査…それに報道はされてないけど、シスターが死んでから学園の子らが行方不明になったりしててさ…ちょっと気味が悪いんだよね。何か、学園全体的にさ」
「悪魔が召喚されて学園の生徒を襲ってると?って事はさ、悪魔崇拝とやらの痕跡はあったんだね?」
「逆十字架が置かれてた。シスターの死んだ場所に」
「逆十字架が悪魔崇拝の儀式的なもの?」




