10/718
1話
むつがいれてきた紅茶にざばざばと砂糖とミルクを入れて、ティースプーンでくるくるとかき混ぜ甘いミルクティーにすると、菜々は一口飲んだ。
「甘党め」
「甘い物でも取らないとやってらんないわよ」
「それで太らないのが不思議だな羨ましい」
ちっとわざとらしく、むつが舌打ちするとにやっと笑った菜々がカップを置いてむつの腹をつまんだ。
「あっダイエット成功?お肉減ったんじゃないの?けど、こっちは増量したみたいね」
きゃはははと笑いながら、菜々がむつの胸を鷲掴みにすると、むつもお返しとばかりに菜々の胸を鷲掴みにした。
「あんたのは相変わらず掌サイズで宜しいですなぁ」
「うるさいわよ‼食べた分は頭を使って消費しちゃうのよ、だからお肉にならないの」
「はぁーっ‼むかつくわぁ‼あたしだって身体動かしてるはずなんだからね‼」
「あーら?ダーリンと一緒にベッドで運動?」
「おーっさんか‼明るいうちから下ネタ‼」
むつと菜々は、颯介と祐斗が聞いているのも忘れてきゃあきゃあと騒いでいる。
「何か楽しそうっすね」
「女の子同士だからね」
祐斗はちょっぴり顔を赤くしている。




