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7話『動悸』







『-------きろ---』










⋯⋯心地よい感覚の中、凛とした声が脳に響く。






『---おい、起きろ寝坊助。』



「⋯⋯⋯ん、ぅ?」





俺は、ゆっくりと⋯重い瞼を持ち上げる。




---俺の顔を覗き込む橙色の瞳と目が合った。






「⋯やっと目覚めたか。」



自分を見下ろしていた女性は立ち上がり、ふんっと息をつく。



俺は起き上がり---周囲を見渡す。



どうやら、ここは森の中のようだ。


近くにある大きな湖は透き通るほど綺麗ではないが---濁ってはない、とても美しい湖だった。




「⋯⋯ここは?」



「私も知らない。」






「⋯⋯お前も、転生したのか?」




「---ああ。車に轢かれてな⋯⋯」





彼女はそう答え、湖を眺める。






ここで俺は、彼女の容姿が目に付いた。



キリッとした目付きに美しい橙色の瞳。


不自然さを一切感じさせない綺麗な薄桃色の髪は腰まで届く程に長い。彼女は白をベースにした巫女服のような物を着用しており⋯⋯



そして、その頭頂部には可愛らしい「猫耳」がくっ付いていた---



静かに湖を眺めている彼女の横顔からは、不思議な魅力が醸し出ている。







---小春の動悸が少し、早まった---













「⋯⋯⋯?」



彼女は俺の視線に気付き、不思議そうにこちらを見てくる。




(⋯やべ、変な奴って思われたかも⋯⋯)




俺は内心焦りつつも湖に近寄り、水の中に手を入れた。



ひんやりと冷たく、心地よい感触が伝わってくる---








---あれ?



湖に映るその顔は見覚えのある「俺の顔」では無かった。


短めの白髪に中性的な顔---生前の俺とは全く異なっている。しかも、いつの間にか俺は忍び装束のような服を着用していた。だが、色は茶色ベースだ。


そして、身長は対して変わってない気がした。







「⋯どうした?小春。」




「いや、別に⋯⋯え、何で俺の名前を?」






「⋯⋯あー、いや。その⋯⋯」



凄く目が泳いでる⋯⋯





「そ、それより⋯これからどうする?」



「⋯あー⋯⋯まず街を探して、それから仕事を探す⋯かな。」




「そうか!なら行こう!!!」




そう言いながら彼女は大股で東へ向かい歩き始める。






「---あ、ちょっと待て!川を探しながら歩けよ?!」



「⋯ん?何故だ?」



「大きな川の近くには大抵街がある、何も考えずに探すよりはマシだろ?」




彼女は少し考え---





「⋯⋯分かった。『かわ』を探せばいいんだな?」



「ああ。⋯⋯そういえば、あんた名前は?」





「⋯そういえば、まだ言ってなかったな。」





彼女は振り返り、口を開く。







「---私の名前は『(りん)』だ。」




そう答えた彼女の体からは「2本」の尻尾が出ていた---






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