開発番号1:鉄塊・氷炎皇帝が出来るまで、その1
技術の発展には犠牲が付き物です。
ここはユリスキー魔法学園。
中でも独特な雰囲気を醸し出している場所、それが服飾科。
爆発、空間断裂等は日常茶飯事、なので施設は異世界バトルフィールド大陸に存在するのです。
服飾科に旋風を巻き起こすテッサ班の物語である。
こんな感じで良いですかね、ここでもナレーションをやらせてもらってます。
「ありがとうございます、有名な方にナレーションしてもらえて。スカウトした新人さんが来るはずですが」
ゲートが開きましたね、そろそろ到着です。
「うにゅ、テッサちゃんお待たせ。もう1人連れてきたよ」
「はじめまちて、わたくちアリア・ユリスキーでちゅわ」
「待ってたんですよ、わたしテッサ・サカキです。いきなりですが、鉄塊を作成しましょう」
鉄塊とはカリンさんが使用する大剣、それは大きく厚く・・・大雑把だった。
そんな武器ですね、更なる改良が加えられ鉄塊・氷炎皇帝になったようです。
「今回は、それ以上の物を作成したいと思います。お手元の資料を見てください」
詳細なデータがありますね。
鉄塊:種別大剣、大きさ重量は使い手を選ぶが、破格の耐久性は他の武器を凌駕する。
申し訳程度に刃が付いており、質量で叩き切る事が出来る。
素材は良質のダマスカス鋼ですね。
「刃が無ければ、ただの鉄の塊ですよ」
「魔法金属では無いところが欠点でちゅね」
「うにゅ、この子は服飾科の倉庫に永らく眠ってた、使い手の無い武器だったのかも」
鋭いですねエシルレールさん、重量にして20kg以上ですから。
「学園一の肉体強化魔法使いである、カリンさんが初めて軽々と持ち上げ振り回したと記録にあります」
テッサさんの目がキラリんと光りました、もっと強化しましょう!あの娘の限界が知りたい・・・そんな感じです。
「テッサおねえちゃま、ここにカリンおねえちゃまの身体データがありまちゅ・・・勿論詳細な物でちゅよ」
アリアさんは黒い微笑み全開です、ここでは猫を被らなくても良い場所ですから。
「流石は、ユリスキー情報部も一目おいていますね」
「これも、マジカル小型カメラと盗聴器を搭載した・・・マジカルドローンの力でちゅ!」
「うにゅ・・・アリアちゃん、ここに残骸がありますよ」
「あちゃ〜、擬態機能をオミットしちゃったんですね」
「え?なんでちゅのそれは、わたくち・・・知りませんでちたわ」
初等部1年生なので、知らなくても仕方ないことですよ。
「うにゅ!鉄塊を作るんだよ、マジカルドローンを改良するおはなしじゃないよ」
あ〜始めちゃいましたね。
軽快なBGMが流れてますね。
「いきなり説明番組!」
「教えてテッサおねえちゃま」
は〜い始まりましたね、教えてテッサおねえちゃまの時間です。
今回は、カモフラージュ機能についてです。
「テッサおねえちゃま、カモフラージュ機能ってなんでちゅか?」
「かくれんぼで上手に隠れる能力ですよ」
「ふむふむでちゅ、周囲に溶け込んでしまえば生還率か高くなりまちゅね」
アリアさん本当に初等部1年生ですよね?
「幻影魔法を付与するわけですね・・・ちらっ」
「そうでちゅね、付与できる人が居れば完成するのでちゅが・・・ちらっ」
「うにゅぅ、制作ナンバー2でやりますよマジカルドローンの改良」
「やったぁ!流石はテッサ班の班長ですね」
「エシルレールおねえちゃま大好きでちゅ」
テッサ班の班長はテッサさんじゃないんですか?
「エシルレールさん一択ですよ、彼女が責任者であれば予算は潤沢に出ますしね」
女神効果ってやつでしょうか。
さて鉄塊の制作ですよ、素材の金属を決めましょう。
「うにゅぅ魔法付与をするなら、魔法金属は避けたいよね」
「はい、予算的にも苦しいですし」
「手配するにも時間がかかりまちゅ」
この大陸で探すのも手ですよ。
「カリンちゃんの特性を考えると、強度と重量が必要だよね」
「硬度と粘り、そして重量ですよね・・・魔法を付与していない合金」
テッサさんも悩んでますね。
「そんな事もあろうかと!この文献をお家から持ってきたのでちゅ!!」
「うにゅうにゅ、極東ワールドの刀・・・これは使えるよ。硬くて比重の重い金属を柔軟な特製を持った金属で」
「それを魔法で融合させて両方の特製を持つ合金を、いえ金属を創ってしまいましょう!」
テキパキと実験の準備をはじめるテッサさん、金属まで用意していますよ。
「テッサおねえちゃま、こちらは硬重銀鉄鉱と高展性粘鉄鉱でちゅね」
「これを高密度の重力圧縮で融合させるんだけど、ここに用意した炉で出来るか心配です・・・ちらっ」
「そういえば、高密度の重力場を簡単に使える人がいるのでちゅが・・・ちらっ」
エシルレールさんご指名ですよ。
ちょっとため息をついてますね。
「うにゅぅ・・・塊同士を融合させれば良いんだよね、こんな感じかな・・・気持ち重め・・・よし出来た」
銀色の光沢を持った金属が出来上がりましたね、触ると柔らかいですよ。
「これなら龍が全力で殴っても折れませんね、エシルレールさん力いっぱい殴ってくださ〜い」
この後エシルレールさんが塊をぶん殴り、ここら辺一帯が吹き飛びましたが塊は無事でした。
ここがバトル大陸で良かったですね、次回には元に戻ってますから。
「続きます!」
テッサさんありがとうございます。
開発番号2は、マジカルドローン改良型に決まりましたね。