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過去作品

口車家の野望

作者: たかげるげ

 はーい、みんな元気かな?

僕の名前は、口車くちぐるま のせるって言うんだ。

またの名をジョー。かっこいいでしょ。

みんな、よろしくね。


僕ら口車一家は「口車塾」と言う塾を経営しているんだ。

これは現役高校生の為の低料金で確実に第一志望大学に合格する素晴らしい

塾なんだ。創立100周年の伝統。


・・・・「なになに?家が貧乏で、月に2万円くらいしか払えない?」

大丈夫、大丈夫。「口車塾」はあなたのお家の出来るだけの範囲で払えば

いいですよ。

・・・・「なになに?部活が忙しくて、週に1回しか通えない?」

大丈夫、大丈夫。「口車塾」は部活に入っている生徒も沢山います。

週1回、例え月1回でも現役合格出来ます。

「これで本当に現役合格できるの?」

大丈夫、大丈夫。「口車塾」は100年間一度も落とした事はありません。


どう?「口車塾」気に入ってくれた?

では早速、申し込みをしよう。

「え?突然すぎる?」

君、高校2年生でしょ。早ければ早いほうがいいよ。

では、明日君の家に伺おう。



 失礼します。あ、いいですよ、お茶なんて。

ずずー。ごく。

あ、隣にいる人は誰かって?


「口車 添と申します。」

添は僕の兄なんだ。似てない?ってそんなー。

確かに僕と違って、添はしっかりしていそうでしょ。

添はカウンセラーの資格を持っていて、不登校や自閉症の子どものカウンセリング

をしているんだ。すごい?


「では、入会の手続きをしましょう」


中略

「お話の途中ですが・・・」

添が口を挟む。

「テキストがこのようにお買い上げで、ちょうど月2万円で組めました。

夏、冬のボーナスは加算してもよろしいでしょうか?

では、夏、冬5万円の加算になります。」


で、僕はこの場を締める。

「明日から、昨日君が来た教室に来てください。

 そこには借という僕の弟でいい先生がいるから。僕みたいな。

 じゃ、頑張りましょう。」



 

「こんにちは。室長の「口車 借」です。これが時間割です。

君は何曜日が来れないのかな。え?土曜日しか来れないの?

・・・それは困るな。・・・・

君、文系でしょ。土曜日は見ての通り国語の授業はないんだよ。

・・・週1回でもいいって言っていた?乗が?

・・・ああそれは乗の説明が悪かったんだ。ごめんね。

そうそう、これは今月分の請求書になります。保護者の方に渡してね。

今月は冬のボーナス分が加算されますので、7万円になります。

・・・え?話が違う?

月2万円で、ボーナス時は5万円って添が?

それは、2万円+5万円ってことじゃない?それで7万円だけど。


口車乗車    1名


 今日も乗・添の強力且つ悪徳営業は続く。

そして一人、また一人と口車乗車されていく。

その後始末は借の役目であった。

  

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