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君のいない夏

ギラギラの太陽に挑戦状を叩きつけた君

都会のアスファルトが、フライパンのようになっても

暑いと怒り続ける君

そんな熱さが恋しい


特大山盛りと恥ずかしげもなく叫ぶ君

口いっぱいの氷が、幸せ顔を一瞬でしわくちゃにしても

青い唇で夏の風物詩を語る君

そんな背伸びが可愛らしい


浴衣に着られているような君

髪の張り付いたうなじの艶めかしさにハッとしたけれど

気の利いた褒め言葉も言えなかった僕

そんな不器用さが懐かしい


ボートから財布を落とした僕

デート中の君は、引っ越しのバイトをしようと言いだした

その日だけは汗もほこりも厭わなかった君

翌日の酷い筋肉痛は笑い話になった


夕立が嘘だったかのような夕焼け

光沢を放つ君の唇が、声にならない言葉をささやく

読唇術をマスターしていなかった僕

不得手な科目は誰にだってある


北の街でスーツを着るようになった僕

華やかな世界と人が珍しくて、夢中で働いた

この街の夏はとても寒くて短い

君のいない夏がいくつも過ぎていった


自宅療養をしながら真っ白なエプロンをつける君

誰も彼もが夏なんて忘れたと思っていたけれど

君は一人夏を待ち続けていた

まだ間に合うのなら君に夏を届けたい


少し古びているけれど、正真正銘の僕の夏を届けて

一緒に味わいたい

君のいない夏はとても味気ないから


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