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君は異星人
目の前の君は異星人
真心を込めた言葉も、君には呪いとなる
もう少し頑張ってみたらと言えば、
僕は異星人だから、頑張れないと返す
頑張るしか能のない私は凡人未満
目の前の君は異星人
形ばかりの同情を、君は冷笑する
大変だねと声をかければ
僕の大変さは誰にも理解できないよと笑う
哀しいと思う私は友人未満
目の前の君は異星人
全てのアドバイスを、君は酷評する
たまには気分転換してみればと勧めれば
気分転換に飽きて、気分転換がなくなったと責める
働けと言いたくなる私は父親未満
目の前の君は異星人
君への全ての言葉は、上から目線に映る
昔の苦労話を持ち出せば
そういう昔に生まれれば、僕の不幸は生まれないと説く
苦労を買えと失言する私は先達未満
目の前の君は異星人
打算も訓練も投資も、下賤と断ずる
アリとキリギリスの話にたとえれば
崇高なる異星人は、死も恐れないと豪語する
理解できない私は信徒未満
目の前の君は異星人
この地球に巣食う人も
文明を興し星を穢した人も
快楽の末に子孫を残した人も
便利すぎる社会を作った人も
君には我慢ならない
その鋭い眼光を直視できない私は母親失格




