ラジオ
緑が隣にいてくれることが当たり前のようになってきた頃、私にとって最悪な事態がラジオのニュースで流れていた。
「今、本国と諸外国との関係が悪化しております。このままでは、戦争になる可能性も……」
昔の……今この時代にいる自分は、そんなニュースは現実味のないもので、起こるはずのないことだと信じて疑わなかった。
だが、今のわたしの中にはそんなのんきな考えは生まれず、思考がフリーズする。そして、少しすると今までの世界情勢が、頭の中を巡る。
三回目の世界大戦。それが間もなく起ころうとしている。……いや、このままでは必ず起こる。私がここにきて、防げるべきものはたくさんある。私を信じてくれる人が上層部にいれば、この国が勝利する可能性もある。未来では、まだ決着がついておらず、お互い同じぐらい戦力を消費している。同じぐらいの戦力の消費の原因は、核をどの国も使っているからだ。重要な都市は核を使いすべてを無にした。今や歴史的建造物や環境などについては一切無視だ。安全なところなどどこにもないのだ。
だが、そんな世界にはしたくない。何十億人もの人が命を失い、何十億人もの人が改めて戦争というものの核兵器というものの悲惨さ、残酷さを思い知った。
「嫌……だ、だめ……!!やめて!!」
突然取り乱す私を驚いたように見つめる緑。でも、私の頭の中はあれのせいで死んでしまった、両親のことを思い出し、あんなことが起こったせいで死んでしまったおばあさんを思い出し、頭が真っ白になりパニックを起こしていた。
「風?どうしたんだよ、いきなり……。大丈夫か!?」
緑に体をゆすられている。心配させてしまっている。落ち着かないといけないと、頭では分かっているが心が言うことを聞いてくれない。自分に制御が利かない。感情の爆発。どうすることもできない。
そんな私を緑は優しく、でも力強く抱きしめてくれた。そして、耳元で囁くように「大丈夫」という言葉を繰り返した。
いつしか私は落ち着きを取り戻し、緑が入れてくれたココアを一口飲んだ。
「ごめんね……」
小さくつぶやくと、緑は少し笑みを浮かべながら首を横に振った。
「話したくないんならいいんだけど、どうしたんだ?」
まぁ、ただラジオを聞いていて、そして最近よく流れるニュースを聞いているときに人があんな風になれば誰だって驚くだろう。私は深呼吸すると、未来の、私がここに来るまでのことを話した。
すみません。
短くて、遅くなってすみません。
許してください。こんなスローペースじゃないとかけないんです。
改善せねば!!とは思うのですが……
次回は風ちゃんが動き出しそうな予感です。