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かくれんぼ
冷たい空気が蔓延る、四畳半の世界
月は踊って、星空は彼女を嘲笑う
細い手首に切り刻む、生命の証
赤が滴れて、残る線は彼女を生かす
かくれんぼしていた
四畳半に逃げ隠れて
気付かない内に皆帰っちゃった
心臓に突き付けられた、鋭い言葉のナイフ
不安が滴れて、残る傷に薬は無い
冷たい空気が蔓延る、四畳半の世界
人は嫌って、孤独だけが彼女に身を寄せる
かくれんぼしていた
四畳半に逃げ隠れて
見つけられないまま、今も一人ぼっち……。
手を振る相手は明日の姿だけ
温もりをくれるのは冷ややかな孤独だけ
私はまだ隠れているのよ
塩水が頬を伝う、四畳半の世界に
かくれんぼしていた
四畳半に逃げ隠れて
本当は見て欲しかった
心の内側まで、ちゃんと見て欲しかった
かくれんぼしていた
四畳半に逃げ隠れて
いつかは誰かが見つけてくれるかな……。