10/14
鬼ごっこ
涙で描いた範囲の中で走り回るは繰り返す日々
鬼に似合わぬ寂しさと桜が散った、一人きりの校庭
机に塗られた嫌味を眺めて迷った世界は夢の中
鬼に似合わぬ情けなさと涙が刻んだ、罪悪感の傷
精一杯、追い掛けるけど
皆には全く、手が届かない……。
教科書の希望が黒に染め上がった朝は晴天快晴
鬼に似合わぬ塩水と手首を絞める、正義の包帯
精一杯、追い掛けるけど
皆は又しても、逃げていく……。
少しだけでも近付いて欲しかった
私の手が届く距離にいて欲しかった
涙が記した教科書通りに見下ろす景色はネオン街
鬼に似合わぬ孤独感と見渡す世界、見えない階段……。
精一杯、追い掛けたけど
皆には全く、手が届かない……。
精一杯、追い掛けたから
今度は皆が追い掛ける番だよ……。
私が歩んだ階段の最終地点で待ち合わせ