表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/45

Scene 7

「紫依乃ちゃん、はい氷袋」

「うぅ、翠斗ありがとう…」

「ご、ごめん。まさか止めようとしてるとは、思わなくて」


 今、目の前で紫依乃が具合を悪そうにしているのは自分のせいで、少し顔をしかめながら「だいじょーぶ、朱華姉のせいじゃないから」と言われれば、余計に居た堪れなくなった。翠斗は心配そうにはらはらしているし、寝起きだった紫依乃はこの通りで、蒼乃君は不機嫌だし、本当、やっちゃったな自分…。


「朱華姉、あんま落ち込んでんじゃねーよ」

「う、うん。ありがと」


 背後から緑斗に頭をぽんぽんと軽く撫でられる。自分よりも随分背の高い緑斗の手は大きくて、少し安心する。ついこないだまで小さかったのになぁ。


「…ま、朱華姉は意図してやったわけじゃないんだし?意図してやってたら殺してるけど、そうじゃないから許したげるよ」


 じくじくと棘のある視線で紫依乃にはりついている翠斗を睨みながら不器用な励ましの言葉。蒼乃君が紫依乃以外の人を励ましたりとかって滅多にないから、つい口元が緩む。そんな蒼乃君にも、緑斗と同じように謝礼の言葉を「ありがとう」と述べれば、「別に。僕は器が広いからね」と返された。なんとも素直じゃないその返答が蒼乃君らしくて、また微笑んでしまう。


「んだよ、にやにやして気持ちわりー」

「し、してないし!」

「、でも、さっきの表情よりはずっといい」

「…えへへー」

「気持ちわりーってば」

「照れない照れないー」

「照れてねぇし!」


 みんな、大好き。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ