表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

どうして

作者: 愛犬家2

思い付きで書きました。

全編にわたって鬱陶しい改行がありますが、何かの演出だと思って見逃してください。

誤字、脱字があるかもしれませんが、これも何かの演出だと思って見逃してください。

一週間ほど前に、私はヒトを刺しました。


『刺されたヒトはどうなるのだろう』


そんな素朴な疑問からの行動でした。


昔から好奇心に従順な性格だったので、思い立ったその日に包丁を手に街に繰り出しました。


空は透き通り、太陽はさんさんと照ってとても気持ちの良い日でした。


なるだけ早くにこの疑問を解消したかったので、ヒトのいる確率の高そうな公園に向かいました。


公園につくと、思ったとおりヒトがいました。


大小合わせて5人ほどだったように思います。


どれでもよかったのですが、手近な位置に小さいものがいたのでそれにしました。


背を向けてうずくまっていて刺し辛かったので、少しかがんで包丁を逆手にもち、力いっぱい振り下ろしました。


何の抵抗もなく包丁は首へと吸い込まれていきました。


私の期待とは裏腹に、ヒトは刺されても大した反応は見せませんでした。


ただ少し痙攣して倒れこんだだけです。


少々拍子抜けして肩を落としましたが、包丁を引き抜くとあざやかな赤が目の前に広がりました。


今までに見たものは黒ずんだものばかりだったので、それが血液だと理解するのに少しかかりました。


最初の飛沫が終わったあとは周期的にヒトの首からそれが吹き出しました。


この周期がこのヒトの鼓動に準拠しているのだと思うと神秘的なものを感じました。


この劇的な体験の感慨にふけっていると、周りのヒトが何事かわめきだしました。


せっかくの高揚感を台無しにされた気がして腹が立ちました。


『うるさい』と身振りで伝えましたがどうにも伝わる気配がありません。


仕方なく家に帰ることにしました。


ふと目を落とすと私はいつの間にか赤い服を着ていました。


これは洗濯をしても落ちそうにないと思いました。


それなりに気に入っていた服だったので残念に思いました。


血液が肌に付着して不快だったので、家に帰るとまず風呂に入りました。


服は水分を含んだままだとかさばるので風呂場でいったん絞ってからごみ箱に捨てました。


包丁は風呂場で洗おうかとも考えましたが、それはなんだかおかしなことに思えたので台所で洗いました。


血液は意外にも食器用洗剤でよく落ちるのだと知りました。


包丁は捨てずに済みそうでよかったと胸をなでおろしました。


しばらく充実感と達成感に浸りながら先ほどの体験に思いをはせているとインターホンが鳴りました。


ドアを開けると上下に濃紺を着たヒトと、その後ろに普通の服のヒトが二人ほどいました。


私を見るなり後ろの二人が金切り声を上げました。


迷惑だなと思いました。


濃紺のほうは話せそうだったので話を聞きました。


どうやらどこかについて来てもらいたいようなのでついていくことにしました。


歩いてどこに行くのかと思えば先ほどの公園でした。


濃紺が『ここでヒトを刺しましたか』と聞きました。


確かにヒトを刺したので『刺しました』と答えました。


すると両手を出すように言われたので、差し出すと金属製の輪をはめられました。


もうすぐお昼なのにこれではご飯が食べられないと思いました。


なので濃紺に『なぜこんな仕打ちをするのか』と問いました。


濃紺は目を丸くするだけで何も答えませんでした。


悪ふざけにもほどがあると思いました。


それから私は車に乗せられ、大きな建物の中にある個室や別の建物でいろいろなヒトから話を聞かれました。


その後動物の檻のような場所に入れられました。


外観は檻のようなのに、中には人の住む様なこぎれいな空間がある異様な場所でした。


大きな建物の住人らしきヒトは私にしばらくここで生活するよう言いました。


当然納得できるはずがありません。


『出してくれ』と言いましたが『だめだ』と一蹴されました。


それから私は訳も分からず一週間ほど拘束されているわけです。


明日も分からぬこんな状況では眠ることさえできません。


幸い食事は出されましたが、とても満足のいくものではありません。


突然人を連れ去り閉じこめる。


こんなことが許されるはずがないと何度も思いました。


「なぜこんな事をするのだ!」


疲労も限界に達し、とうとう私は叫びました。






「ヒトを刺したからだ」






暗闇からあの住人がぬっとあらわれて言いました。


「人を刺したからなんだというのだ!」


そう言うと住人はあきれたような顔をして、また暗闇に沈んでいきました。


私はまた孤独になりました。


「人を刺したからなんだというのだ・・・・人を刺したからなんだというのだ・・・・」





















































人を刺したから・・・・・・・なんだというのだ・・・・・・・






















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ