Exclusion!
Exclusion。久しぶり。
これからはこっちをゆっくり月一くらいで進めていきます。正直やる気次第で自由投稿となります。
最低ノルマ月一で!!
「んー。スキル的には変わってないな」
探知のスキルを上げつつ、スキル欄を確認する。
なぜ確認しているのか。ということなのだが、先程の違和感の正体が足の速さということに気付きスキルかなにかのせいかと思って見ていたのだ。
「こんにちは。王様」
「ん?」
スマホを突いていると、突然後ろから声をかけられた。
透き通っているが、どこかツンとしたような棘のある声。
きっと同じ参加者なのだろうが、聞いたことのない声だった。誰だろうか。と頭にハテナを浮かべつつ振り返る。
「えっと、誰?」
声の主を視界に収めたが、一切ピンと来なかった。
声と同じようにツンとしたような鋭い瞳。サラサラとしている紫の髪。
確か最初の体育館にも居たような気がしなくもないが、全く覚えていない。
「あら、最初体育館に集められた時に自己紹介したじゃない」
「いや自己紹介全く覚えていなくてな」
「まあいいわ。私は桜紅桜。改めてよろしくね」
紫髪こと、桜は目の前に手を差し出してきた。一応手は握り、桜に図書室にみんないるという旨を伝え廊下を歩き出す。
「ところで王様。鬼は何体倒したの?」
「んーと、3体。てか王様ってやめてくんね?」
なぜ俺のことを王様と呼ぶのだろうか。全く恥ずかしいからやめてほしいのだが…
「まず王様ってなんだよ」
「王様は王様よ。キング。あーゆーおーけー?」
「それくらい俺でもわかるわ」
なんだこいつ、見た目的にクール系かと思えば俺のことを王様と呼んだり全くよくわからないやつだ。
「そういう意味じゃなくてだな。なんで俺を王様って呼ぶんだ?」
「そういうことね」
いや他にないだろ。王様の意味とか聞かないわ。
「簡単よ。貴方が王様だから」
「いや俺王なんかじゃないんだけど?」
どの世界線なら俺が王になるんだよ。王とかめんどくさくてやりたくねえよ…
「まあ、今は記憶がないからしょうがないわね。まあいつかわかるわ」
「そうかい」
俺はそんな桜の言葉に嘆息してしまう。
と、話しているうちに結構話していたようで。ふと前を見ると『図書室』という表記が書かれたプレートがあった。
「ん。着いたな」
と軽く呟きつつ探知を発動する。
図書室の内部には青色の人型が6。どうやら先ほどの二人も無事に着いたようだ。
赤い印は見回しても見つからないため、まだ鬼は復活していないようだ。
校長が言っていたようにこれからの鬼は強くなっていくので、それに合わせて警戒を高めていきたい。
「王様。入らないの?」
「ああすまん。入ろうか」
どうやら立ち止まって周りを見渡していた俺に疑問を抱いたらしい桜は首を傾げる。
そういえば今まで雫はスキルを知っているから何も反応しなかったが、普通は疑問に思うのか。
「あ、おかえり…って、桜さんだ」
俺達が図書室に入ると、入り口の近くに居た雫が最初に反応する。
「あら浅葱さん。最初ぶりね」
トコトコと近くに寄ってくる雫に桜は返事をする。
どうやら雫は俺と違って桜のことを知っているようだ。
「桜。鬼来てないしまだ余裕あるから。図書室内で本探してていいぞ」
「本。ね…じゃあお言葉に甘えましょうかね」
桜はどこか懐かしそうに図書室内を見たが、すぐに図書室の奥へと行ってしまった。
なぜ懐かしそうにしていたのか疑問に思ったのだが、見間違いだろうか。
「そういえば雫。なんか本見つけた?」
と、ずっと疑問に思っていてもあれだと思ったので、雫に話しかける。
校長と話す前に雫に「好きな本探していいよ」と伝えてからだいぶ時間が経っているため。そろそろ結果を聞いてもいいだろう。
「うん。この本結構お気に入りなんだよね」
俺が本の話題を出すと、雫は目を輝かせて一冊の本を持ってきた。
雫って本当に本が好きなんだな。とウキウキで本の説明を始める雫を見ながら笑みを零す。
「ねえ異彩。聞いてないでしょ」
「ん?いや聞いてたぞ。あれだろ、1+1=2の証明の話だろ」
「全然違うよ!!」
おっと、雫を見ていて全く話を聞いていなかったことがバレてしまった。
話を聞かれていないことを知った雫は、頬を膨らませつつポカポカと隣から俺の二の腕辺りを叩いてくる。その頬を膨らませて怒る姿がフグにそっくりでつい笑いを堪えきれなかったため、更に叩かれる。
「あはは、ごめんって。それで…この本はどういう本なの?」
一通り叩かれ終わり、一息ついた後に話を戻すことにする。
「ん、そうそう。この本の作者さんがね。一作目で一番最初に書いたのにすごい文章が上手なんだよね。この本、作者さんのご友人の話らしいんだけど…作者さんがご友人のことをとても大切にしているんだなって伝わってくるの」
一作目にして良作とは、作者さんは才能があったんだろうな。ぜひ作品を読んでみたいものだ。
「なるほどね。それで、その作者さんの名前はなんていうの?」
「そうそう。この作者さんはね、天海色彩っていう名前なんだって」
その名前を聞いた瞬間。何か鈍器で殴られたかのような痛みが頭から発せられた。
「え、今…なんて………?」
つい俺は頭を押さえつつ聞き直してしまった。
「え?だから天海色彩さんだよ」
聞き間違いなどではなかったのだ。
「天海色彩……色彩………シ………キ……」
頭は何度も殴られたような痛みが繰り返す。
雫が何か心配してくれているが、全くそちらに意識が向かない。
俺の意識は全て、殴られたような痛みの中にある記憶に吸い寄せられている。
そして、俺の意識は全て暗闇に落ちたのだった………
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