死者復活…
「………ん?」
そこで俺は目を覚ます。
辺りは真っ暗で何も見えない…
「えーっと?」
俺はとりあえず落ち着いて情報を整理することにし、記憶を遡る
「(確か…槍に貫かれて…死んで……)」
そこでハッとする。
考えてることが…声に出てるだと…?
ありえない…そんなことは………
『あ〜やっと起きたか』
と、後ろから声がした
聞き覚えのある声だ。
「何日ぶりだ?」
俺は振り返らずに軽く問う
『数時間ってとこだな』
「そうか。まだ数時間か。早かったな」
振り向きながら笑う。思っていたより終わるのは早かったようだ
俺の視界の先には…人の形をした黒い何かが立っていた
『あっはっは。あの鬼もう少し強いもんだと思ってたんだがな。2発で終わった』
「あはは、流石にはえーよ…俺勝てなかったんだぞ?」
俺達は少し笑い合ったが、俺は「さて」と一区切りし、本題を話し始める
「お前は、何者だ?」
微笑みながら、しかし目は真剣に問う
『ん~まぁ。時が来たら話してやるよ』
「…そっか。んま、いつか話してくれることを信じてるよ」
苦笑し、俺は手を上げる
「そろそろ交代だ。また何かあったら頼むよ」
黒い何かも、腕を上げ…
『任せろ』
パチンッとハイタッチをした。
そして、俺の意識は現実世界に向かうのだった……
「………なぁ。お前はどうなると思う?」
俺は少し首を動かし、『何か』がいる場所へ視線を向ける
そしてその先には…
先程現実世界に戻ったはずの異彩が居た
『んまあ…なんとかなるだろ。記憶はなくとも俺は俺だ。心配するだけ無駄だろ』
そいつは苦笑する
「いっつも1人で突っ走っちゃうカムイさんだもんなぁ…確かに心配は無駄かもな」
俺はいたずらっぽくそいつに言う
『なんだよぉ。俺が集団行動出来ねえみたいじゃねえかよぉ』
「事実やん」
『否めねぇ…』
と、いつも通りの会話をする
「とりあえず、あいつが辿り着くまでは待機だな」
『ああ。無意識かもしれないが、記憶の欠片は所々残ってるようだから…繋がってくれたら助かるんだが…』
「もうそこは祈るしかないな」
お互いに苦笑し、何もない真っ暗な空間を見上げる
『「任せたぞ…異彩」』
「…ん」
そこで俺の意識は覚醒する
瞼を開けると、雫が顔を覗き込んでいた
「わっ………おはよう…かな?」
「おはよう。なんか死に戻りした気分だぜ」
事実1回死んでるわけだが…
「もう……死なないって約束したのに…」
「あー……い、生き返ったから……許して?」
雫は頬を膨らませている。かわいい
「む〜……」
「あ、あはは……ね?」
俺は苦笑しながら雫の頭を撫でる
「ふぇっ?」
なぜか驚いたような声をあげる
「ん?どした?そんな嫌だったか…?」
嫌だったのであればとてもやらかしているのだが……
「い、いや……大丈夫!ちょっと急でびっくりしただけだから……」
「?そうか…」
なんでびっくりしてるんだろうか?さっき「後でよしよしする」って言ったのに…
(……ま、大丈夫ならいっか)
俺は少しの間ずっと雫の頭を撫で続けていたが…
「なーにいちゃついてんだごら」
と、例のオレンジ髪の奴に見つかってしまった
「ん〜?いやーなんとなく?」
俺は適当に返しておく
「いやいちゃついてるに関しては否定しないんかい」
「おろ。確かに」
なぜだろうか…普通に『いちゃついている』を否定しなかった。
(………んーなんで?)
「まいいや。とりあえず周りに鬼はいないぞ」
色は一応報告をした。うん。報告大事
(…てか1つ気になることがあるんだよな)
俺は少し疑問に思っていることを聞くことにした
「なあ…なんでお前らは俺が死んだってことを知ってるんだ?」
そう、俺が死んだということは誰も見てないから知るはずがないのだ…しかしこいつらは何故か知っていた。
「あーそれ?それは死んだって通知が来たからだよ」
「通知?」
「そうそう。みんなのスマホに来たんだよね!」
死んだ時に全員の端末に連絡が入るようにしてたのか
あちなみにまだ頭撫でてます
「ほへ〜。なんて書いてあったんだ?」
「んとな…『鳩鏡異彩さんが鬼に捕まりました。残り生存者8名』って来た」
そこで俺は目を見開く。
「んな……それは、本当か?」
「え?本当だけど…」
(だとすると……不味いぞ)
俺はつい立ち上がってしまい…
俺にもたれかかっていた雫が倒れてしまった
「いて……どうしたの?」
「あ。雫すまん……」
「いや…大丈夫だけど……」
「今の話が本当なら…不味いことになっている」
えっ…と、雫と色は驚く。当たり前だよな
「雫…今どんだけptある?」
「えっと……今は500ptだよ」
「了解。それじゃあスキルを開放してくれ。力を増すやつ」
「ふえ?いいけど…」
俺は顎に手を当てながら指示を出す
「色。お前は後二人と合流して探索を続けろ。だが…誰とも会うな。誰かと会ってもすぐ逃げろ」
「は…?なんでだよ…?」
俺は苦虫を噛み潰したような顔で…色に伝える
『参加者の中に紛れ込んでいた【裏切者】が動き始めた…』




