表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/25

薄れゆく意識の中で…

「………ゴホッ」

口から血を吐き、朦朧とする意識の中で目の前を見る

目の前には…黒い鎧を纏った魚型の鬼が俺の腹に深々と槍を突き刺していた…

ああ…もう死ぬのか……はぁぁ〜もうちょい生きたかったなぁ

俺は、消えゆく意識の中。そんなことを思った。

鬼は槍を俺の腹から抜いた。その瞬間、支えを無くした俺の体は重力に従って床に叩きつけられ、それと同時に血が溢れ出した。

そうか…槍が血を止めてくれていたのか…

止めるものが無くなった血は、勢いよく俺の周りの床を血色に染め上げていく…

とてつもなく寒い…腹はもう痛みすら感じない…

ていうか感覚が無くなってきた気がする…それに視界が黒に染め上げられていく……

それらは、確実に俺の死を意味していた。

「あはは…終わったなぁ」

たった1つ。最後に小さく呟き…俺の意識は完全に消えた…


…………はずだった。

雫が水面に落ちた音と共に俺の意識は少し覚醒した。

そしてその瞬間。一つの声がした。

『お前はまだ行きたいか?』

その単刀直入に問いていた声は、聴いたことがなく、しかし何故か懐かしい声だった。

そしてその質問に俺は…

(そんなの…当たり前だろ……)

と返した。声は出ず、相手に伝わるわけがないのだが…

『あっはっは!そうかそうか…この状況でまだお前は生を選ぼうとするか…ッ!』

なぜか声は俺の意思を汲み取り、笑いだした

(何がおかしい……?)

俺は怪訝に思い、つい聞いてしまった。

『いやいや……ただお前らしいなと思ってな』

俺らしい…?会ったことも無いはずなのになぜ俺のことがわかる?

俺は、すぐにでもぷつりと切れてしまいそうな意識の中。思考を巡らせた。

すると…声は俺に提案を提示してきた

『そうだ。俺にはお前を復活させる力がある。しかし、それなりの代償があるが、お前はどうする?』

俺は、その提案にとりあえず…

(その代償ってのはなんだ?)

と聞いた。

声は少し考えるような声を出し、

『俺にもよくわからない』

と返答した。

『俺にもその代償ってのはわからない…もしかしたらとても危険なことになるかもしれないが、お前次第だ。どうする?』

声は続けて、再び聞いてきた。

もしまだ生きれるなら生きたい…でも、それには代償がつく…しかもその代償はまだ何かわからない…

どうする…どうする……?

俺は、長考し、結論を出した後…

なんとか笑顔を作り、声に言った。

(お前に任せた…)

声は少し素っ頓狂な声を発した後。大きく笑った

『そうか!!危険を伴う賭けでも生を選ぶか!!実にお前らしい!!』

とても嬉しそうな声を発し、更に言葉を続けた。

『提案の通り、必ずお前を復活させてやる!!だからそれまで、少し寝ているがいい』

その言葉の直後、とてつもない眠気が俺を襲った。

意識が切れる前。最後に、声に向かって言った

(…頼んだ)


……完全に意識が消えた後。俺は小さく呟いた。

『ああ。任せろ、カムイ』

そして俺は、力を発動した…




銃を受け取り、廊下に出た瞬間。端末から機械音がなった。

「おっちょぉ?なんだなんだ?」

俺達は各々自分達に配布された端末を見て、驚愕する。

その内容は…


『鳩鏡異彩さんが鬼に捕まりました。残り生存者8名』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ