戦闘後…
鬼との初戦闘を終えた俺は…一気に緊張状態が解かれたのか、四肢に力が入らなくなり、床に仰向けに倒れる
ああ…やっべ……めっちゃ疲れた…動けねえ………
遠くから声がきこえるが…俺にはそれを聞き取る力もなかった為…そのまま俺の意識は深い闇に落ちていった……
あれから…どれくらい経ったかは知らないが、俺の意識は深い闇の底から戻ってきたのだった…
(ああ、全身痛え……ここ、どこだ?)
俺は重たい瞼を開き…周囲を見回す…
見慣れた机の数々…窓から差し込む日光…深い緑の板…
(ここは……教室か……)
そして…俺のすぐ側には……
黒髪の少女が、壁に寄りかかって目を閉じていた。
(美月……?)
俺は重たい体をむりやり動かし、その少女に手を添える…
「ん…」
少女は少し言葉を溢し、目をゆっくりと開けた…
「え……異彩…さん?」
少女は、素っ頓狂な声を発し、目を見開いた
「…おはよう」
俺は笑いながら…その一言を言った。
「あ……」
少女は理解できてない…という顔をしていたが、やがてその顔は笑みに変わり…
「おはよう」
と、返してきた
あれから、俺は雫の話をきいていた。
雫は俺が向かってからも、アイテムの捜索を続けていたらしい。
そこでたまたま銃を見つけたから、急いで俺たちが戦っていた場所に向かってきたんだってさ。
そんで、俺を見つけて…鬼が攻撃しようとしていた時だったから、何も考えずに咄嗟に銃を撃ったら腕に当たったんだってよ。
(いや…たまたまにしてもエイム良すぎだろ…)
俺は少し苦笑をし、そんなことを考えていた
それから、俺が鬼を倒してから…
とりあえず安全なところに俺を運ぼうとしたけど、持てなくて…困っていたところに俺が先程逃したオレンジ色の髪の少年が来たらしい。
そいつは何か手伝うことはないかと言ってきて…
『この人を安全なところまで運んで』
と、頼んだらしい。
「んまあ。そういうことだよ」
雫は一通り話が終わったのか、そんなことを言ってきた
「なるほどな。ところで、オレンジ色の髪の少年はどこにいるんだ?」
俺が、その疑問を雫に問いかけたその時。教室の扉が開かれ、一人の人間が入ってきた
「とりあえず周りには誰もいなかったよ……」
俺はそいつに見覚えがあった
そりゃ…あんな特徴的なオレンジ色の髪誰だって忘れないさ…
「よお。無事か?」
俺は軽く手をあげながら声をかけた
「あ。起きたんだ」
そいつは俺に気づくと、笑顔になった
「いや〜さっきは助かったよ。ほんとに死ぬとこだった」
そいつは呑気にそんなことを言う
「まああれは確かに危なかったな」
俺も苦笑をしながら言う
「とりあえず…自己紹介するか」
そして俺は自己紹介をする
「海色ね。
俺は彩凪色よろしく」
色は手を差し出してきた
俺はそれを握り返し、固い握手をした
(色…色……シキ……色彩……)
そして俺はハッとする
(なんで…今色彩って出たんだ?)
俺は今頭の中で起こったことに疑問を抱く
(さっきからおかしい…記憶にないはずの人の名前が出てくる…いや…待てよ…?)
俺はそこで新たに疑問を抱く
(まずなんで"ヒト"の名前ってわかるんだ?)
と、そこまで考えた時…
「おーい?大丈夫か〜?」
色に声をかけられ俺は再びハッとする
「あ、ああ…大丈夫だ」
苦笑しながら手を離す。さっきまで握手したままだったようだ
「異彩さん…本当に大丈夫?」
雫が心配そうに顔を覗き込んでくる
「ああ…大丈夫……大丈夫だ」
俺は雫の顔が近く、恥ずかしくて離れた
「でも…顔が赤いよ?」
「大丈夫だから!これは…そう!ただ暑いだけ!!ほら、さっき戦ったからさ」
俺は慌てて言い訳を並べる
(流石に恥ずかしくて赤くなってるとか言えんて…)
そんなこんなで…俺達は再び学校内を散策するのであった




