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Ⅰ 見えない世界に何かがある
1 終
突然
雷鳴がとどろき
大地が大きく波打った。
漆黒の闇が
閃光を放つ。
大地の揺れは
どんどん大きくなり
近づいてくる。
耳をつんざく
轟音
巨大な炎の塊が
ものすごい勢いで降ってくる。
炎が
雄たけびを上げた。
だめだ!
右も左も
急な山の斜面で,
駆け上ろうとするが,
すぐに引きずり降ろされてしまう。
狭い山道に
逃げる場所がない。
もう終わりだ!
真っ赤に燃え上がる火の玉が
辺りを焼き払いながら
襲ってくる。
逃げ場がない。
もうどうすることもできない!
うおっ!
2
私は,なぜ,ここにいるのだろうか。
私は,どこから来たのだろうか。
なぜ,生きているのだろうか。
なぜ,毎日,こんなことばかりしているのだろうか。
私が,この世にいなくても,何も変わらない。
生きている意味があるのだろうか。
なぜ,毎日,こんなに苦しまなければならないのだろうか。
何のために?