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私という存在

私の名前はクリスティーナ。じゃない。篠原くるみ。

17歳の女子高生で乙女ゲームが大好きだった。

ひかれそうになってたおばあさんをかばってひかれて...

それじゃあ今の私。この体の私は誰だっていうの!?

私はそこまで考えるが誰かの声で現実。光のある世界へ引き戻されてしまった。

ハッと目を開くと目の前にはえげつない美貌を持つ三人衆が...

私の目をつぶす気ですかね。そうですね。

「あぁ!私の愛しの娘よぉ!起きたんだね。」

「ローズティア嬢。私の愚息がごめんなさいね。」

愚息?誰のことですか。って私の顔の目の前で顔をゆがましている美少年ですか!?

これが愚息。この世界どうなっているのやら。

「僕が支えられなかったんです。第二王子失格ですね...」

なんか泣きそうな顔しないでもらいたい。

「いえ。大丈夫ですから。その顔どうにかなさってください。なんか涙が目ににじんでますよ?」

私が恐る恐る出した声は覇気のないソプラノボイスだった。

美しい小鳥のさえずりのような声。

私までもが聞きほれてしまった。


美形三人衆が目を見合わせ、戸惑っている状態を見て私はもっと戸惑った。

なんなの。なんかの拷問?

なんか身なりの良い服着てるし。貴族かなんか?

でも私は一般ピープル。金持ちににらまれることした記憶が一切ない。

「あ、あの。ローズティア嬢?」

天使が私に聞いてきた。

どうやら私はなんちゃらなんちゃら・ろーぅティアという人間に生まれ変わったらしい。

ってえぇえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!

転生!?異世界転生!?

良く漫画とか小説であるやつ!?

大好きな乙女ゲームの世界とかに転生するやつでしょ?

くぅぅぅぅぅぅ~!

神様ありがとうぅぅぅぅぅ~!

私あんときおばあさん守ってよかったぁ~!

「は、はい...」

一応返事はしなくては...美少年に罪はないっ!

とてつもなく動揺した様子の美形。

「あの_?私なら大丈夫ですよ?」

ほら。と私はベットから体を起こし床に立った。

そして、自分の着ている服に目をやる。

『深紅のドレス』

なんということだ。私は髪の毛の色をちらりと見た。

群青色の波打つ髪だ。

それに深紅のドレスはないと思う。

しかも、ダサださなデザインだしごてごてしてて私の好みではない。

私はベッドに突っ伏した。

そんな私をおかしいと思ったのか「クリス。一回帰ろうか」と父親らしき人がわたしを抱き上げた。

「は、はい...」

私自身も落ち着く時間が欲しい。

私は父に運ばれ馬車に乗り込んだ。

そしてすぐ睡魔に襲われたのである。

目が覚めたのはベッドの上だった。

薄いネグリジェを着ていて少し肌寒い。

私の視界に入ったのは椅子にかけてある青色のカーディガン。

私は大きな大きなベッドから起き上がりカーディガンに袖をとおした。

扉が控えめにノックされて一人の少女が入ってきた。

「どなたですか?」

私は思わず聞いてしまった。

確か記憶の中ではマーサといっただろうか。

「お、お嬢様。ご様子が変わられたというのは本当だったのですね。」

しみじみ納得するようにうなずくマーサに私は思わず笑みをこぼした。

「マーサは素直で面白いのね」

そんな私の様子にマーサは申し訳ありません。と頭を下げた。


「なにが?何にもマーサはしてないですよ?それにこれからは仲良くやっていきましょう!」

私は小さなマーサの体を抱きしめた。

「お、お嬢様ぁ?!」

理解できていないのはマーサだ。

そりゃそうだ。

記憶の中の私はマーサに当たり散らしていたもんなぁ!


さぁ。最初の改革は使用人さんたちと仲良くなることか。

そのへん私得意!


『よぉ~しっ!頑張っちゃお!』


私はネグリジェのまま廊下に飛び出した。

廊下を行きかう使用人さんたちに「おはようございます」とあいさつしていく。

使用人さんたちは困惑気味だけれど確かに「おはようございます」とあたまをさげてくれる。

それに私はできるだけ笑顔で答える。

マーサも私の後ろを走ってついてきてくれているようで心強いというのは言うまでもない。


私が廊下をだーしゅしていると一人の男性にぶつかった。

「ひっ。」

短い悲鳴を上げると声をかけてきたのはお父様だった。

「どうしたんだい?しかもネグリジェで廊下を走り回るなんて!」

「い、いや。それは...」

気まずいことを質問され目をそらすもお父様の腕の中におさめられてしまった。

「まずは着替えようか。そうしたらフィオナの墓がある丘まで出かけよう?」

「は、はい!」

そうして私はあっ呆気なく部屋に送り返されてしまった。

部屋にはびくびく体を震わせている侍女たちがたくさんいる。

「お、おきがえですよね?あ、赤でしょうか?深紅でしょうか?お墓です変わクロでしょうか?!」

う~ん。なんでそうはでっはでな色ばかり選ぶかなぁ。

たぶん記憶を取り戻すまでの私は赤とかを好んだんだろう。

「あ、あの。私は自分の中で何かが変わって...なので!これからは素でお願いできませんか!?」

私の言葉に侍女たちは口をポカンと開けた。

「だってこの服!明らかにごてごてしてますしダサいですよね?!私くそダサいと思いますもん!それに殿下の前で猫被るなんて悪女ですよね?!悪女ですよ!

なんで思ったことははっきり言ってください!あと首にした子たち全員呼び戻してください!」

私が思いっきり言い切ると侍女の誰かが吹き出した。

失礼なのはドイツ者ぁ~!





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