第9話「スノースマイル」
おめでとうございます、なんて、
僕はこの先、生涯言えないかもしれないな。
なんてこの一年を振り返ってしまう。
きっとマスクは一生つけ続けてゆくよ。
息苦しい事以外、メリットしか覚えられないから。
SNSのトレンドとか追ってると、
もうこの禍が終わったようにも勘違いさせられるけど、
僕は特に行きたいところもないし、
生活保護費で十分間に合う程度の暮らしに満足してる。
本当に必要な欲しいものなんて、そんなに無いよ。
みんな、色々あるだろうな。
その愛憎が今も僕を生かしてくれている。
下さっている。
僕は孤独を愛せるのに、かまってもらえないとへそを曲げるガキのまま。
だけど、いずれは皆様に頭を垂れる準備をしなきゃね。
人生は短い。
身近な人の死は、もう覚えたくない。
僕の出あった全てのお方様のしあわせを、祈る事しかできない。
ご自愛しながら、周りを愛していただきたい。
僕も言うからには、それを実践しなくちゃね。
喜怒哀楽を楽しみつつ、このトンネルの先を想う。
まずはデイケアからデイナイトケアへ移行し、B型作業所への復帰。
それが短期的な目標だ。
僕の大望は創作を完結させる事に変わりはない。
例え誰一人にも届かなくても、それが現在進行形の夢だ。
そもそもこの創作の原点は、一日が終わって、
君とお布団に入りながら、君がよく眠れるように、
僕がこしらえたおとぎ話を聞かせたいのが始まりだ。
だから、本当は、毎日書かなきゃいけないんだけれど、
どうやら僕はそこまでのストーリーライターには届かない。
今となっては、君の色んな出来事を捜索するものになってしまった。
お話もてんで上手くならないし、
君は逆に退屈過ぎて寝ちゃうかも苦笑
君に贈りたい言葉は、全ての言語の美称だ。
それをどんどん簡潔にしてゆくと、
結果的に、ありがとうと愛してるしか残らなくなる。
僕なりの精一杯だよ。
例えお天道様が失われたとしても、
ゆきの笑顔を想えれば、僕はどうにでもなる。
ご自分を本当にひとりぼっちだと確信しているお方様よりは、
ずいぶんマシだ。
君は僕を憎み、僕は君を愛する。
愛憎という点において、僕らは共に歩んでいる。
僕は君を不幸にしたり、苦しめたりしない限り、
ずっと、ずっと、
君を愛し、離れず、君との想い出を抱えながら、
それを頼りに、生きていける。
だから、誰しもに大切なお方様がいらっしゃって、
ただ生き残り続けて下さるだけで、
生きている意味には十分じゃないかな。
今年も、よろしくお願いいたします。
ぼくはどくにもくすりにもならない
ならみずかってじしんにたずねても
そんなきれいなそんざいともおもえない
歌曲 BUMP OF CHICKEN 作詞・作曲 藤原基央