第7話「青い花」
まずはじめに、お義姉さん、姪のおふたり、
お誕生日、おめでとうございます!
いつも、皆さんの存在に、本当に、助けられています。
お義姉さんにはともかく、人生の先輩として、
後輩に救われている現状は、正直情けないです。
ですが、僕の兄がくれる情報から、姪お二人も、
すでに僕より大人に育っていらっしゃるのだなと覚えています。
僕が心の病をわずらってから今年で丁度20年が経ちます。
そう考えると、姪お二人が生まれてきてくれてから、
ろくな愛情を注げてこなかった自分に失望もします。
甥お二人にも姪お二人にも、できるだけ負担を掛けずに、
人生を生きていく事が僕の今後の大きな課題であります。
僕はどちらにも全くお世話をさせてもらった事がないので、
僕の事はごくたまに、
心の片隅にでも置いておいてもらえるだけで満足です。
姪お二人はどちらもとても美人に育っていらっしゃるから、
良い人と結ばれて、苦楽を共にし、
最期まで倖せでいてほしいと思っています。
とはいえ少子化の現状を思うと、
お二人も結婚を現実的に考えて、
もしかしたら独り身を選択するかもしれませんね。
お二人の父親、僕の兄がどういう父親なのか、
僕には知るすべがありません。
今更のこのこ顔を出せる面目も、僕にはありませんし、
僕は僕を閉じたまま、終わる事を望んでいます。
自分でも最低最悪の選択ですが、皆さんの晴れ舞台へも、
出席させていただく事はないでしょう。
それくらい僕はどうしようもない人間です。
皆さんのお陰でなんとか社会性をつなぎとめていられるのです。
ですから、姪お二人も、僕の事は極力気にしないでください。
僕に関わっても良い事はありません。
僕の事で呵責を感じてしまわれる事が、お互いにとって最も不幸です。
ですから、僕を受け入れようとはしなくて大丈夫ですよ。
お義姉さんも、僕に情けを掛けていただき、感謝しかありません。
お義姉さんのご両親へも、申し訳御座居ませんが、
結婚式でお会いさせていただいたのが、最初で最後になりそうです。
僕みたいな不出来なおとうとにも叱責するでもなく、
お見守りいただいている現在、ご胸中は複雑でしょうが、
僕の兄と一緒になって下さり、幸甚の至りです。
僕の幼い頃から背中を追い続ける、僕には自慢の兄ですが、
これまでにお義姉さんへ様々な想いを抱かせてきた事は、
間違いないでしょう。
兄はさすがに女性をみる眼も確かなようで、とても安心しています。
これまで僕が、お義姉さんご家族にお掛けしてきたご迷惑は、
計り知れない僕では御座居ますが、様々なお方様の力を借りて、
被害を最小限に抑える努力だけはしています。
謝罪などもはや無意味かつ空虚ですから、言葉もありません。
存在とはごくありふれた奇跡では御座居ますが、
まさに「有難い」という言葉の重みを感じざるを得ません。
僕は青い人間ですし、未熟です。
いくら歳を重ねようと、僕は僕を大人だと一生思えず終わるでしょう。
ですが、だからこそ青臭さが身近にあり、
そういったものたちに心を揺さぶられる毎日を送っています。
僕の人生で咲いた青い花は、勿忘草です。
毎日欠かさず兄さんご家族を想い続ける事は困難ですが、
忘れたくはありません。
いつも ありがとう ございます 愛しています
ですから、どうか、
あおいはなばなのために
ぼくをおぼえてくださっていたらうれしいです
さいだいげんのかんしゃを!
歌 空気公団 作詞・作曲 山崎ゆかり